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社長のたわごと

JOY MUSIC RECORDS主宰者、社長がしかるべきときにおもむろに更新するBLOG

Category: 音楽一盤(ディスクレビュー)

Tags: CDレビュー  

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音楽一盤 第8回 『Crispy Park/every little thing(2006)』

こんにちは。社長です。

本年第1回目の音楽一盤はevery little thing(以下、ELT)の最新アルバム『Crispy Park』です。

社長の音楽の趣味からいってELTを紹介することを意外と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ただ単に社長も歳を重ねて聴く音楽の幅が広がったというだけではなく、ELTの音楽自体がすごい勢いで変化してきているということがあったからだと思います。

90年代を代表するヒットメーカーだったELTですが当時の社長はあまり関心をしめしていませんでした。ところがここ数年のシングルを耳にするにつけ「むむ」っとうならせるものを感じついにはアルバムを聴きこむまでの完全な白旗状態。いったい何が起こっているのか。今日は徹底解剖したいと思います。


1. ハイファイ メッセージ
2. スイミー
3. 風待ち心もよう
4. 雨の鳴る夜、しずくを君に
5. 恋文
6. スカーレット
7. SWEET EMERGENCY(Instrumental)
8. あすの心
9. きみの て
10. いずれもROMANTIC
11. azure moon
12. I MET YOU(Instrumental)
13. good night

本作を語る前に、前フリとして90年代の音楽事情というものを簡単に振り返ってみたいと思います。社長の主観全開ですがあながち外れてもいないと思います。

当時の流行の主流は「ハリのある高音域のボーカル」と「適度にデジタルでタイトなサウンド」でした。言葉じりが分かりづらければ安室奈美恵やSPEEDをイメージしていただくと分かりやすいと思います。もうひとつこれに「ハードロック調のギターサウンド」を加えて3点セットにすることもできます。これに成功していたのはなんといってもT.M.Revolutionでした。そして1996年にデビューしたELTもまたこの3つの法則に合致したユニットでした。

もうひとつ、ELTが(おそらく)意識的にやっていたことがあると思います。それは拡大するカラオケというマーケットへの対応です。爽やかで誰もが歌いやすいサウンド。リスナーはある意味ではELTを聴く目的+カラオケで歌うためにCDを買う。リスナーにとってはそれは無意識でも作り手にとっては確かな戦略としてあったのではないでしょうか?

そしてそういった戦略を一番意識していたのは現メンバーの持田香織、伊藤一朗両人ではなく脱退した五十嵐充だったのではないでしょうか?初期の楽曲を聴くとボーカル持田、ギタリスト伊藤の個性よりもプロデュースワークとしての五十嵐の個性が前面にでていたように思います。実際デジタルサウンド中心でありながらどこかナチュラルさを感じさせるその手腕は、重低音と高音で無機質なデジタルサウンドを完成させた小室哲也の次世代をいくものであったかもしれません。しかし、その音楽的にも商業的にも完璧を誇っていたことがたぶん当時の社長にはなかなか却って受け付け難かったのだと思います。

はあはあ。ここまで書くだけで疲れた。いやここからが本番なんですけど。

さて、デビューから10年の節目のアルバム。いったいどのように変わったのか。

1曲目「ハイファイ メッセージ」これはとんでもない楽曲だ。たぶん今のELTをもっともよくあらわしている曲だと思います。軽快なアッパーチューンなんですがこの突き抜け方はちょっと癖になるかも。イントロがおもしろいんですね。ロックなギターのリフが中心なんですがそのまわりをいろんな音が飛び交う。「ひゅーん」とか「ぴろぴろ」とか持田の声をサンプリングしたものとかが単発的に聞こえてくる。デジタル音多様なんですがこれが全然無機質じゃなくてむしろとっても有機的でカラフル!このアレンジは面白いです。そしてとにかく楽しい曲です。

続く「スイミー」はこちらは完全な生音志向で録音されたポップロックチューン。メロディは90年代から続く王道ELTメロディですが、全然響きが違うのはアコースティックギターやうねるベースラインのせいだけではありません。最新型ELTの一番の特徴はボーカル持田のスタイルの変化です。

ちょっと巻き舌、ときに舌っ足らずな感じ。そしてふわふわとリラックスした歌い方。10年前の高音を強調したハリのある歌い方とは別人のようです。でも圧倒的な声の表情。カラオケ的だったELTサウンドから脱却し、「ボーカル持田」のユニットとしての必然性を完全なまでに発揮しています。

ここからはさらに推測ですがいくつかの楽曲では自分の一番の高域よりも少し下げたキーを選んでるのではないでしょうか?全体を通して落ち着いたしかし表情豊かなボーカルになりました。

もちろん個性は裏を返せば「クセ」ですから、常に万人受けだったELTにとってはマイナス面も出てくるでしょう。しかしもう10周年、万人に合わせた音楽ではなく自分たちの音楽を突き詰めていく、ということなのかもしれません。その姿勢、社長全肯定。

後半の「azure moon」「good night」といったバラードナンバーももともとメロディのよさには定評があっただけに聴きごたえがあります。

デジタルやアナログといったことを超越した有機的でカラフルなサウンド、そして驚くほど表情豊かになったボーカル持田香織という必然性、『Crispy Park』のタイトルのとおりまるで居心地の良い公園のようにとても楽しくて気持ちのいいアルバムです。


えらそうなことばっかりいって、ファンの人ごめんね。
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安室奈美恵(アムロ
プロフィール

社長(三田村 潤)

Author:社長(三田村 潤)
経営者でもないのに社長と呼ばれて10数年。完全自主制作音楽レーベル「JOY MUSIC RECORDS」を主宰。
最近記事量が少ないのは音楽活動が充実しているためだと信じたい。

遠距離系ポップデュオ「エーテルスケッチ」、宅ROCKソロプロジェクト「A to Z」のふたつのプロジェクトを中心に音楽活動をまったり展開。

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