FC2ブログ

社長のたわごと

JOY MUSIC RECORDS主宰者、社長がしかるべきときにおもむろに更新するBLOG

Category: 音楽一盤(ディスクレビュー)

Tags: CDレビュー  

Comment (0)  Trackback (0)

音楽一盤 第30回『夢の轍/さだまさし(1982)』

こんにちは。社長です。

暑い日が続きますね。こちら瑞浪市近辺では37度、38度が日々当たり前のようになっております。皆様熱中症などには十分ご注意を。

許されるならそんなときには部屋で涼しくエアコンなどかけて静かにゆったりと音楽を聴くにかぎるのですが、そういうじっくり聴くシーンにはさだまさしなんていかがでしょうか?

彼はバイオリンも弾けるしなにより伸びやかなハイトーンボイスというボーカリストとしての圧倒的な力量を持つわけですが、それよりも何よりも彼を唯一無二の存在に押し上げたのはその「作詩」能力ではないでしょうか。

あえて「作詩」と書きました。実際さだまさしのレコードのクレジットはそうなっております。「作詞」ではなく「作詩」、そこんとこに彼のこだわりも伺えます。

どのアルバムを紹介しようか悩みましたが彼のストーリーテラーとしての才能がいかんなく発揮された82年のアルバム『夢の轍』をじっくり聴きこんでみましょうか。



1. 微熱
2. 極光(オーロラ)
3. 虫くだしのララバイ
4. 人買
5. 前夜(桃花鳥(ニッポニア・ニッポン))
6. 退職の日
7. まりこさん
8. Home(Now I Know I’m Home)
9. 償い
10. 片おしどり


例えば2曲目の「極光」。オーロラに魅せられた写真家の阿岸充穂さんとその奥さんのエピソードを奥さん視点から描いた作品。出会いから撮影準備中に事故で阿岸さんが亡くなるまでを歌にしている。人の死という重くなりがちな話をさだまさしは実に軽やかでのびやかなボーカルで歌い上げる。もちろん亡くなられた直後の奥さんの悲しみはいかほどだったかと思いますが、それを乗り越えた後にはただ愛だけがあったのではないかと感じさせる歌です。

あなたを愛して気づいた どんどん先に歩いて
行ってしまうあなたを 追いかけるのは大変だわ



例えば3曲目の「虫くだしのララバイ」。こどもの頃のおじいちゃんとの約束の歌。テンポがころころ変わるのもコミカル。これもじっくり聞きたい。ところでこのアルバムには歌詞以外に歌詞より長い本人のライナーノーツがありますので曲ができた背景などを読むこともできます。この歌のテーマはずばり「子供は約束を守らない。だが、子供と約束したら絶対に守ってあげなければならない」

そして「人買」という歌。この曲は重い。簡単に言うと東京が人を変える、という歌なんです。似たようなテーマでは太田裕美の「木綿のハンカチーフ」がありますが、あの曲が軽快なメロディーと彼女の可憐な声によってかえって恋のはかなさを表現していたのに対してこの曲はのっけから重いです。切迫しています。社長のように東京に住んだことのない人間、あるいは最初から東京に住んでいた人間には分からないかもしれない、地方から東京に出てきた人間だけが分かる恐怖の歌かもしれません。

おそらく僕と観た夢を
君は何かと取り替えた
それで大人になる気なら
ついでにここで僕をすててしまえ



「前夜(桃花鳥)」。トキが七羽になってしまったという当時の(そして今も続く)社会的なニュースのあとで、しかしそれでも君は明日の献立のことが気がかりだし、僕等はこの部屋の狭い平和で手一杯だと歌う。それは無責任なようにも思うし、仕方のないことだとも思う。でもその最小限の幸せを待ちがわなければ本当は最小公倍数的に人はもっと幸せになれるのではないかと、社長は思います。

「まりこさん」は強くて哀しい女ですな。お酒と男とキズにまみれた女。一説によるとこのまりこは中島みゆきの「悪女」にでてくるまりこらしいですよ。

「償い」。これはさだまさしの歌の中でも上位にくる人気曲ですから知っている人も多いでしょうね。交通事故で人を死なせた男が遺族の奥さんに身も心も削って償い続ける話。7年目に初めて奥さんから手紙が届く。

「ありがとうあなたの優しい気持ちはとてもよくわかりました
だからどうぞ送金はやめて下さいあなたの文字を見る度に
主人を思い出して辛いのですあなたの気持ちはわかるけど
それよりどうかもうあなたご自身の人生をもとに戻してあげて欲しい」



泣き崩れる男。彼は許されたのでしょうか?そして切迫したさだまさしの歌が本当にすばらしいし胸にくる。初聴なら間違いなく泣くと思いますよこの曲。車の中でかけたら超安全運転になること間違いなしです。絶対ドライブソングじゃないけど。



やはりミニ小説的な独特の作詩手法とときに軽やかでときに重いボーカルがこの人の魅力ですね。社長最近ネット上で最近の歌手は安直なラブソングとかばっかりでうんざり、みたいな記事をよく見かけるんですがそういう人はさだまさし聴いとけといいたいですね。ポップソングの可能性はまだまだありますよ。

関連記事

Comments






プロフィール

社長(三田村 潤)

Author:社長(三田村 潤)
経営者でもないのに社長と呼ばれて10数年。完全自主制作音楽レーベル「JOY MUSIC RECORDS」を主宰。
最近記事量が少ないのは音楽活動が充実しているためだと信じたい。

遠距離系ポップデュオ「エーテルスケッチ」、宅ROCKソロプロジェクト「A to Z」のふたつのプロジェクトを中心に音楽活動をまったり展開。

タグ一覧
online shopから
オススメ商品
ブロとも申請フォーム
クリック募金


12345678910111213141516171819202122232425262728293006 2020